
この季節になると開きたくなる絵本があります。
それは、『おじさんのかさ』(佐野洋子作・絵)です。
立派な傘をいつも大事に持って出かけるおじさんは、
どんな雨が降ってきても傘を開きません。
なぜなら「かさがぬれるからです」って…
それどういうこと?
自分がぬれないように普通なら傘をさすでしょう。そのためにある傘なんだから。
変なおじさん!って思って読み進めると…
ある日、公園に出かけた時に雨が降ってきて、ちいさな二人の子どもが傘をさして歌いながら帰っていく声が聞こえてきます。
「あめがふったら
ポンポロロン
あめがふったら
ピッチャンチャン」
なんて可愛らしいリズミカルな歌でしょう♪(と思ったのは私)
「ほんとうかなぁ」とおじさんはつられて声を出し、とうとう傘を開いてしまうのです!
そして、
本当に傘からそんな音が聞こえてくるので、すっかり嬉しくなって雨の中で子どものようになって何度も音を楽しむおじさん。
雨の中、家に帰り着いたおじさんが、たたんだ傘を見て「ぐっしょりぬれたかさもいいもんだな。だいいちかさらしいじゃないか」といってうっとりする
姿はとても満足気です。
おじさんは、
小さな子どもたちの声を聞いて、それまで閉じて大事に持っていた傘を開く事で新しい世界を体験する事が出来ました。
傘を開く=心を開くなのでしょうか。きっと心も豊かになったことでしょう。(*^^*)
梅雨空を見てると、何だか気持ちが滅入る時もありますが、
子どもたちを通して、何か面白いことや楽しいことに出会えるかもしれませんので、毎日心を開いて過ごしたいと思います。
(文責:石橋 晴子)
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