おこづかいの渡し方

先日、ネットニュースである芸能人が子どもへのおこづかいの渡し方について語っていた。
華やかな印象で、ご主人も会社経営者。経済的には豊かだろうと思われる方。

彼女は12歳になる娘を厳しくしつけていて、簡単に買い与えたりしていませんとのこと。

娘が何か欲しがっても「それは必要なの?」と聞いた上で、親が必要だと判断した時に買うということだった。

この話、みなさんはどう思われますか?

私はとても残念に思いました。

そもそもなぜ金銭教育が必要なのかというと、
大人になってお金と上手につきあえるようになる為です。

自分の収入をふまえて、
それをどう使うのか、
あるいは使わないで貯めるのか、
様子を見てから判断するのかなど、
自分の頭で考えて選択・決断できるようになることが肝心。

その判断を正しくするために、
優先順位を考え、
まず必要なもの、
そして万が一に備えるもの、
最後に欲しいものにお金を使うのが順序だと思うのです。

けれど、先ほどのケースだと、考えて決断しているのはいつも親です。

子どもは親のご機嫌をうかがったり、プレゼンのスキルが上がったりするかもしれませんが、肝心な
「自分で考えて決断する」というところは育ちません。

しかも必要な時のそのつど渡しは、もっとも残念な渡し方。

なぜなら、もらったお金を使い切る練習にしかならないからです。

それは、大人になって一番困る使い方。

金銭教育は失敗も含めて学ぶ経験です。

自分のこづかいの中から何かを買えば、手元のお金は減ります。
そして次に欲しいもの、
しかも前に買ったものよりずっと魅力的なものが目の前に現れた時にはじめて、

「ああ、前のものを買ったりしなければ、これが買えたのに…」と思う。

このような経験こそが、衝動買いをやめ、考えて買うという行動につながるのです。

それが大人になって、もっと大きなお金を使うようになった時に役立つのです。

お金を無駄遣いさせないようにと、子どもに渡すお金を制限しすぎると、大人になって自由にお金を使えるようになった時に、歯止めが利かなくなることもあるようです。

「がまんしなさい」と言うからがまんできるようになるわけではありません。

自分で予算の中であれこれ考え、失敗しながらでも、自分で決断して我慢をする経験が将来の役に立つのだと私は思います。
(文責 鶴田 明子

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PSFの教材販売

教材販売のお知らせ