子どもの選択力

孫が3歳位の時の話。
私の母が、めったに会えない曾孫のために、「何か買ってやりたい」と言い出した。ショッピングモールへ一緒に行くという。私が車で連れていくことになった。

私からひとつ提案をする。
「おかあさん、何か買ってあげるといっても漠然としているので、予算を決めてくれない?」と。
母は考えた末、
「じゃあ、2,000円までね」
妥当な金額だと思った。

そして私からも提案をした。
「買うものは1個だけね」
3歳の孫にとって2,000円でどれくらいのものが買えるのかはまだイメージできなかったかもしれないが、「1個だけ」というのは理解できていた。とにかく何か買ってもらえるということでウキウキしている孫と母と3人でお出かけすることになった。

ショッピングモールに着くと、孫は一目散におもちゃコーナーに向かった。
あれこれ手にとっては、
「これはいくら?2,000円で買える?」という感じ。
残念ながら孫の欲しいおもちゃの値段は2,000円からは程遠いものばかり。
しばらく悩んでいたけれど、
「お菓子を見に行く」と言い出したので、みんなで移動する。

お菓子コーナーには、さすがに2,000円を超えるお菓子はなく、孫は選び放題だった。
そして孫が手にしたのは、おもちゃの中に数十粒のラムネが入っている400円ほどのもの。
おもちゃはすぐに壊れそうだし、ラムネもアッという間になくなりそう。
でも、孫は目をキラキラさせて「これにする。ひいおばあちゃん、ありがとう」と言っている。

ふと母を見ると少し困惑顔。
「え?それ?もっと買ったらいいのに…」と言いたそう。
でも、私は母を制して孫に言った。
「ちゃんと自分で選べたね。それでいいのね?」
「うん!これがいい」

普段の買い物の中で、子どもが同じものを買いたいと言った場合であれば、私は買っていないだろう。
「おもちゃとしてはいまいちだし、お菓子もちょっとしか入ってなくてその値段は高すぎる」と説得していると思う。
けれども今回は「制限の中で自由に選択をする」ということを体験させる場面。
ここで、
「そんなものよりこっちにした方がいいわよ」と言ってしまったら孫の気持ちはどうだっただろうか。
あるいは
「2,000円までならまだ買えるから、もっと買ったら?」と言ってしまったら最初の約束が何も意味をなさなくなる。

大人の価値観で子どもの行動を修正するのではなく、孫が「決まりの中で、自分にとって最善の選択をする経験」を最優先したからこそ、孫の満足度はとても高いものになったと思う。

そして、3歳であっても、制限の中でちゃんと自分にとっての一番を選択できるんだというのもうれしい発見だった。

けれど、何でも選択をさせた方がいいわけではない。
基本的生活習慣(睡眠・食事・着脱・衛生・排泄)に関することは、保護者がしっかりしつけることが大前提。
やっぱり子育てって難しい(^^;)
(文責:鶴田 明子)

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