
今年、2025年の中秋の名月は10月6日の月曜日となり、秋分の日(9月23日)の13日後。
ちなみに2022年は9月10日、2023年は9月29日、2024年は9月17日と、実は年によって2週間以上も開きがあります。これは、中秋の名月が旧暦をもとに決められていることに起因しています。
中秋とは、旧暦の8月15日を指し旧暦では7~9月を秋としているため、8月15日はちょうど秋の真ん中となり、またその頃は1年を通して最も月が美しい時期であるとされたことから、平安時代の貴族たちは、中秋の名月に月を眺めて和歌を詠む「観月の宴」を開いて楽しんでいました。
月は季節にかかわらずいつでも見られるのに、なぜ昔から秋の月は美しいといわれるのか。それは、秋の空気と月の適度な高さが関係しているといわれ、秋の空気は、水分量が春や夏に比べて少なく乾燥しています。そのため、澄んだ空気が月をくっきりと夜空に映し出しています。
また、月は冬に近づくほど空の高い位置を通り、夏は低い位置を通る。春は地上の埃などで月本来の明るさが霞んでしまう。
そのため、空気の水分量、大気の状況や月の高さなど、月が最も美しく見える条件が揃う秋こそ、月見にふさわしいといわれてきました。
(文責:高杢 清子)
この記事へのコメントはありません。