結婚生活を始めた頃って、配偶者のことを「こんな人だとは思わなかった」とか「こうと知っていたら結婚しなかったのに」などと思ったことはありませんでしたか?
私の場合はそんなことだらけ!?
子どもが幼かった頃、ある知り合いのおばあちゃまと何かの用事で電話をしていました。そして、話の流れで思わず、夫への不平不満が出てしまったのです。
そのおばあちゃまが静かに「うんうん」と聞いてくださるものだから、私もつい普段からのうっぷんを(お恥ずかしいことに)まくし立ててしまいました(~_~;)
そのおばあちゃまは穏やかにひと言、「身内だとオテンガカラクなりますものねぇ・・・」とおっしゃって電話は終わりました。
ん?オテンガカライ・・・?と、考え込むわたし・・・
あぁ、お点が辛い、か!(≧◇≦)
お上品なおばあちゃで、「点」に「お」が付いていたものだから、すぐには理解できなかったのです。
そのたったのひと言は、受話器を置いた後の私の頭の中で、次のような言葉に変換されて響いていました。
「家族のように身近な人に対するほど評価は厳しくなりますものね。でも世間一般を見渡せば、そんなことは大したことではないのですよ。でもあなたが腹立たしく思う気持ちは本当によく分かりますよ。」と。
私はこのおばあちゃまから二つのことを学びます。一つは、静かに愚痴を聞いてくれる寛容さがどんなにありがたいかということ、もう一つは、上品さは怒りを鎮めるということです。
それ以降、今でも、腹立たしいことがあると、そのおばあちゃまのお上品で優しい声が聞こえてきます。
「お点が辛くなりますものねぇ…」
(文責 野口 紀子)
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