今年もクリスマスの時期を迎えていますが、クリスマスが何かを知らない人も多いのではないでしょうか。「キリスト教のイエス・キリストの誕生日」くらいは知っている人もいるかも知れません。でも12月25日が実際の誕生日なわけではありません。一説によると、この日は元々ゲルマン民族の冬至の祭り日で、一年で最も夜が長い日を祝う事で春を期待して待つ気持ちがキリストの誕生という救い主を待つ気持ちと繋がって12月25日になったのではないかということです。クリスマスツリーやリース、サンタクロースにプレゼント、ローストチキン、シュトーレン、クリスマスプディングなどクリスマスアイテムは装飾から食べ物まで様々でそれぞれにいわれがあるのでしょう。この世界的なイベントに皆ワクワクしてしまいますね。
ではキリスト教会ではクリスマスをどのようにお祝いするのでしょうか。カトリックの教会では24日から25日にかけて夜通しのミサ(礼拝)が行われるようです。プロテスタントの教会はそれぞれのようで、24日夜に礼拝をするところもあれば、キャロリングといって街頭で讃美歌を歌うところもあります。
私はクリスチャンになって43年が経ちますが、先日クリスマスに関するある話を初めて聞きました。
教会でクリスマスといえば必ず聖書の中の「ルカによる福音書2章1節から20節まで」が朗読されます。「イエスがベツレヘムの馬小屋で生まれ、天使から知らされた羊飼いたちが拝みに来る」というクリスマス物語の場面です。それに先立つ同福音書の1章には、マリアが天使から「救い主を身ごもるのでイエスと名付けなさい」とお告げを受ける場面が書かれています。この一連の誕生話を信じるか信じないかはクリスチャンでも分かれる所なのですが、この度私が初めて聞いたのは、この箇所は著者ルカが実際にマリアに会って聞いた話ではないかというのです。イエス・キリストの言動はマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネという4人が書き残しているのですが、その中でクリスマス物語を書いたのはルカだけです。もし、実際にマリアから聞いたことを書いたのだとしたら、それもとても面白いですね。
さて、世の中ではあちらこちらで戦争が起こり、日本でも政治不信に貧困や自殺、生きる意味を失っている若者の増加などがニュースに上がってきます。クリスマスとは何なのかを真剣に考えれば、この世のことも考えざるを得ません。
20数年前に教会学校の子どもたちのために私が作った歌「クリスマスって何だろう?」の最後の部分の歌詞を紹介します。
クリスマス それは神様が私たちの罪ゆるすために
ひとり子をこの世に送ってくださった日
クリスマス それは愛し合うことを私たちが知るために
愛を示されたイエス様が生まれた日
そうよ 愛が生まれた日 それがクリスマス クリスマス
当時この歌を歌ってくれた子どもたちは、今頃は30歳前後くらいでしょうか。どのような人生を歩んでいるとしても、クリスマスとは何なのかをしみじみ考えるひと時を持ってくれていれば嬉しいなあと思います。
今年も私共のブログをご愛読いただきありがとうございました。スタッフ一同、心より感謝申し上げます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。皆様が健やかに新年をむかえられますように・・・
(文責 野口 紀子)
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