今から20年前の私の誕生日、当時大学1年生だった娘が、お菓子と一緒に1冊の絵本をプレゼントしてくれました。
「この絵本、初めて読んだ時にすご〜く心にしみたから、きっと好きだろうなぁ〜と思って…
読んでほしくて選んだの」と、渡されたのは「ぞうのエルマー」でした。
今や誰もが知ってる有名な絵本ですが、その当時はまだ売り出されてさほど経っていない頃で、知る人ぞ知る‥といった感じでした。
娘と私は感性が似ているのか、本や映画の好みがよく重なります。
娘は、自分が得た絵本の感動を私と共有したかったのでしょう。
プレゼントそのものよりも、「一緒に分かち合いたい」という娘の想いが何よりも嬉しい贈り物でした。
娘が幼い頃、私は、「アルプスの少女ハイジ」に出てくる、クララの家庭教師のロッテンマイヤーさんみたいに高圧的でガミガミ言ってるような母親でした。
そういう自分が嫌で、何とか変えて子どもたちと良い関係を築きたい…と、学んだスキルにすがるような思いで、試行錯誤しながら子育てしていました。
ですから、娘の言葉に、私のこれまでの努力が報われたようで嬉しかったのです。
先日、「ぞうのエルマーを娘に読んであげたいけど、家にある?」と娘から連絡がありました。
次は、5歳になるわが娘と分かち合うようです。
「あの本、プレゼントしてくれた時嬉しかったなぁ」と私が娘に伝えると、「え⁉️あの本、私が自分に買ったんだよ」
ナント娘の記憶が塗り変わってる。
娘よ、せめてそこは母にプレゼントしたことを覚えていて欲しかった。
(文責:佐藤 由美)
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